第5日(5月8日、火曜日)
朝ローマ着、ローマ観光
9時57分ローマテルミニ駅に到着。入国手続カウンターが見つからない。パスポートのスタンプのことで勤務中のポリスにアドバイスを求めると、彼らは煩わしそうな態度をとったので、こちらもいらいらしてきてその場を立ち去った。
パリから予約しておいたタクシーで先ずホテルに行く。三ツ星のラ・ペルゴアホテルまで10分。タクシー料金3300リラ。ホテルの宿泊料は一泊30,00リラだった。空腹だったが、たいていのホテルのレストランは昼食のルームサービスをしてくれない。12時10分に、徒歩で10分足らずの所にあるファーストフードのマクドナルドで昼食をとる。1時間後にホテルに戻る。ホテルのスタッフはとても明るくて、温かく、2〜3時間で見て廻れるお勧めコースはないかと尋ねたら、とても親切に対応してくれた。そして彼は友達を呼んで来て、1時間につき8500リラで引き受けさせた。ローマで一番人気のスポットを見学するのに充分な午後2時〜5時までの3時間ツアーに決めた。我々は充分なリラを持ち合わせていなかったので125米ドルで合意。
最初に訪れた所は西暦72年完成の「コロッセオ」。ここは剣闘士、奴隷、囚人、野獣などが死闘を繰り広げた壮絶な戦いの場であった。このへんでアイスクリームを食べながらひと休み。次に訪れたのが「コンスタンティヌスの凱旋門」、「トレビの泉」、「ヴェネチア広場」、「サン・ピエトロ寺院」、「スペイン階段」、そのほか見る価値のある文化と歴史に富んだ興味あふれる観光スポットの数々。またローマには世界最大とも言われる「ヴァチカン博物館」がある。13世紀から18世紀にわたる画家、建築家、詩人、哲学者、彫刻家などによる歴史、文化、芸術品の宝庫である。ここにはヴァチカン最大の見どころであるミケランジェロの壁画 (「最後の審判」)がある。
古代ローマの二輪馬車の轍の上を、今は車がせわしく往来している。
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第6日(5月9日、水曜日)
朝ローマ発、フィレンツェ着、観光ののち夜フィレンツェ発
午前9時30分、ローマ出発。アシスタントの予約日時などの勘違いで列車に乗り遅れる。アシスタントは我々のスケジュールを上司に連絡したと伝えてくれた。代理の人が私が列車に乗るのを手伝ってくれると英語で言った。フレンツェの駅(「サンタ・マリア・ノベッラ中央駅」) に午前11時に到着。私の3つのバックパックを車いすコンパートメントに詰め込み、インフォメーションのカウンターからもらった地図は手元に残した。
ダンテを生んだ町・フィレンツェは産業と手工業、商業、文化、芸術、科学の町として活気があった。この中央駅は観光地にアクセスし易く、見どころはすべて徒歩圏内にある。通りに軒を並べているイタリアン・スパッッティ、パスタの店を通り過ごすわけにはいかない。イタリア料理とサラダとコーラを注文した。充分な昼食をとった後、「サンタ・マリア・ノベッラ教会」、「シニョーリア広場」などをぶらぶら見物して歩いた。この広場は市民や観光客などが大勢集まる人気の憩いの場所である。最上階からの眺望の素晴らしい「ジオットの鐘楼」、12世紀に建てられた緑色や白色で装飾された8角形の「サン・ジョバンニ礼拝堂」、名画が集められた世界有数の美術館の一つである「ウフィツィ美術館」など、この辺りには見どころが多い。
1345年完成のアルノ川にかかる「ベッキオ橋」、その橋の両側の多くの店は、まるで黄色い蔦が巻き付いているように見える。 川岸の向こうは、なだらかな丘陵の広がるトスカーナ地方だ。「バルジェッロ美術館」や、バディアやダンテの家などなど。フィレンツェの町の大聖堂は虹のようにピンク、緑、白色の石の組み合わせで出来ている。「花の聖母教会(ドゥオモ)」は1436年の完成で、赤っぽい屋根は白と緑とピンクの大理石で出来ている。「サンロレンツォ教会」、「メディチ家礼拝堂」。町のあちこちで大道芸人、魔術師、その他のエンターテイナーも見かけた。通りにはたくさんの高級ブランド店がある。またしゃれた高級アパートメントはウインドウショッピングよりもっと私の目を楽しませてくれた。「メディチ・リッカルディ宮」を出て駅へ向かう途中、ちょっとした場面に出くわした。エンターテインメントではない。車の上でカメラマンとスタントマンが大声で叫んでいるのかと思って見ていたら、「アカデミア美術館」の所で警官に取り囲まれ、降りてくるように説得されて、一方の男は手錠をかけられ、パトカーで警察に連行された。単なる酔っ払いだったらしい。
午後5時45分、中央駅で寝台付き夜行列車(出発予定午後10時18分)の予約をする。それはスイスのバーゼル行きの1時間遅れの最終列車だった。駅員は障害を持った旅行者にとても親切だった。我々をオフィスで休ませて、その間に列車に乗せるための手動式のエレベータを誰かに用意させていた。女性の係員も非常に親切でいろいろ手を貸してくれた。だが狭い入り口で私の車いすを押して通してくれることはできなかった。私は自分のいすのキャンバスを高く持ち上げ、小さくたたんで自分でやることが出来たが、それにはとても苦労した。検札に来た車掌にレイルパスを見せた。ハム、パン、オレンジジュース、ヨーグルトと、それにミネラルウオータを買った。
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第7日(5月10日、木曜日)
朝バーゼル着、バーゼル観光
午前8時52分、バーセル中央駅に到着。ホテルは駅の真向かいにあり、修復中の4つ星の「ホテル・ビクトリア」。料金はは285スイスフラン。午前9時45分で早過ぎたので、部屋は正午まで待つようにいわれた。カウンターで地図をもらって自分たちで見物に出かけた。
スイスの都市、バーゼルはスイス、ドイツ、フランスの国境のライン川近くに位置していて、巨大な内陸港をもっている。ゴシック建築の教会の小道に沿って流れる朝の涼しい風に誘われて進むと、おそらく現在バーゼルでいちばん有名な噴水「カーニバルの噴水」に出会う。この噴水はスイスの彫刻家ジャン・ティングリーの作である。水の噴き上げに工夫を凝らした噴水は印象的だった。そこから数分のところに美術館がある。路面電車が道路の真ん中を走っている。スイスの国旗がビルディング、商店、美術館などに高く掲げられているのが目立った。険しい道に沿っていくと、両側に16世紀の町並みに囲まれた中庭に通じる。マーケットのある所がバーゼルの町の実際の中心地である。1894年までは教会だったバーゼル歴史美術館には、結局行くことが出来なかった。
パリではセーヌ川クルーズが出来なかったので、ここではそのチャンスを逃さなかった。47スイスフランだった。この観光客用のクルーズは各国から訪れる旅行者に休日を十分に雰囲気を楽しんでもらえるように素晴らしいインテリアを備えていた。低い橋も水位が上がっても何の危険も支障もない。川岸沿いの風景 ― 古城、町並み、人々、公園などは驚くほど美しかった。11時20分ごろ乗船中にボートの停泊所で私は間違った船に乗っているのに気が付いた。船長は私の切符を調べ、我々のボートはこの次の4時間クルーズだと丁寧に説明してくれた。午前11時50分までに1時間クルーズのボートが着いた。ランチには何日も食べていなかったライスを注文し、魚、野菜、サラダとクリームケーキがついていた。この1時間クルーズは素晴らしかった。ボートはすごい急流を滑るように走った。ゆっくり歩いて午後2時14分ホテルに到着した。部屋のドアーを開けたとたん、テレビのスクリーンの上に私の名前と部屋番号と‘WELCOME’の文字を見つけて感激した。早めに十分な休養をとった。相棒は2日前から依然として鼻詰まりに悩んでいた。
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第8日(5月11日、金曜日)
朝バーゼル発、フランクフルト着、フランクフルト観光
午前10時5分発フランクフルト中央駅行きの列車に乗った。車いすの乗客にはドアへの移動が便利だと勧められたので、1等車より2等車の方に乗った。中央駅に午後12時52分に着いた。車いす使用者は手助けがないと客車に乗ることが出来ないとアドバイスを受けていたので、出発に備えてアシスタントの手配を頼んだ。行く先々の駅の銀行で両替するのは面倒なので、いつも前の滞在国の通貨はその国を出るときに両替することにしている。
駅から出てホテルに向かったが、方向を見失ってしまったようだ。駅のずっと左コーナーの方にいた若い親切な婦人に出会わなかったら、我々は見当違いの方向へ行っていただろう。彼女は私が見せた印刷されたアドレスとわたしのEメールの地図だけでは、直ぐにはホテルがどこにあるか分からなかった。駅の辺りには粗暴な麻薬中毒患者がいるから気をつけるようにと忠告してくれた。ホテルを教えてくれたり、やさしい言葉をかけてくれた彼女にお礼を言った。新しく改装された4つ星の「フランクフルト・ミネルバ・ホテル」に宿泊した。料金は230マルク。大理石の非常に広々した部屋だったが、湯を沸かす電気ポットの備えがなかった。駅からの徒歩圏内にあるこのホテルは見本市会場に行くにも便利だ。
ホテルのカウンターで地図をもらってタクシー(22マルク)を頼んで「グロ−バル・ビレジ」に行った。国際色豊かな食べ物の陳列――日本食の寿司と天ぷらが 32.80 マルクだったが、30分待たされた。道路の反対側には「グロ−バル・ビレジ」があって、半木造の家は都会風なところと田舎風なところのコントラストがとてもいい。私の相棒はスイス時計の店がとても気に入って、そこを離れようとしなかった。胸の高鳴る都会と田舎の静けさの取り合わせがとても魅力的だ。
マイン川のほとりに位置するドイツの都市・フランクフルトに高層ビルが建ち並ぶ。フランクフルトは世界の最も重要な国際為替と金融の中心地だ。ヨーロッパの中央銀行の本部と最も混雑する鉄道駅のあるフランクフルト。しばらくタクシースタンドでタクシーを待っていたが、いっこうに来る様子がない。そこで相棒は川岸に沿って行けばホテルに戻れることに気がついた。周囲のビルディングや鉢植えの花を売っている店、のろのろ運転など面白そうなところを探検しながら午後4時45分まで、2時間過ごした。夕食にミネラルウオータ、果物、パンを買ってホテルに戻った。